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中学受験  過去問題集の使い方  



過去問をどう活かすか

入試問題は学校によって出題傾向が違います。また、問題から学校の求める生徒像を見出すことができます。「入試問題は学校から受験生へのメッセージ」といわれるゆえんです。出題傾向を知り、対策を立てるのは合格への近道です。

 

 

 二つの勉強

学習には「力を蓄える」勉強と「力を試す」勉強とがあります。授業を聞いて理解する、何度も繰り返し練習しておぼえる、といった学習が「力を蓄える」勉強です。主に基礎・基本とされるものです。
これに対し、応用問題や過去問を解くのは「力を試す」勉強です。
応用問題というのは、基礎・基本となる学力がいくつかまとまって問われます。必要となる基礎知識が、ひとつでも欠けると解きにくくできています。ですから、基礎・基本がなければそう多く得点できませんし、やったところで基礎学力が向上するものでもありません。ある程度、出題傾向をわかる知識がないと得点できるようにはなりにくいものです。
また、どの基礎知識が必要なのかを判断する力も問われます。模擬試験や過去問題などの答え合わせをすると、「な〜んだ、これなら知っていたよ」「できる問題だったのに難しく考えすぎた」ということがあります。
このとき、適切な判断を下せるのも大事な学力のひとつです。 もし、問題に取り組んでもさっぱりわからない、というようであれば、蓄えが足りない、ということです。
まず、蓄えを増やす学習をすべきです。漢字や計算、一問一答式のドリルのような問題集で反復練習を重ねるといった学習をおすすめします。

 

 

 ひとつの教科を何年分も解いてみる

時間を計りながら、1年分の問題をやって答え合わせをし、何点採れたかをチェックする、というのが過去問のオーソドックスな使い方です。ここでは、少し別のやり方として、1教科について何年分もまとめて解いてみることを紹介します。

たいていの場合、入試問題の作問は教科の先生の手によるものです。問題を作成するに当たって主に参考にするのは、同じ学校の過去問です。試験傾向を大きく変えないよう考慮しながら作るからです。この時、範囲の広い社会のような教科では一度の試験で「まんべんなく」出題するのは難しいことです。となれば、何年かに一度の割合で出題されるものが決まっているように見える場合があります。
このようなことに気づくには短期間で同じ教科の過去問をやってみるのが有効です。より出題者の気持ちに近づけるのがポイントです。

 

 

 前年までの受験者平均点をチェックする

もうひとつ、注目したいのは受験者平均点です。
毎年、4割前後という学校の場合は別ですが、およそ6割前後を目安に問題作りをしている学校は多いです。もし、例年、各科目とも6割前後の平均点が多い学校で、昨年の平均点が7割前後まで上昇していたら、今年は難しくなる可能性があります。逆に5割を切っているようなら、少し易しめになると予想できます。
受験生が出題傾向を読むように、出題者も毎年、受験生の傾向を読み取ろうとしています。

 


入試選抜をする性質上、全員が得点できたり誰も解けなかったりするような問題では意味がありません。受験生の得点に差が出るほど、合否判定はしやすくなります。
過去数年の受験者平均点か合格最低点の変動を教科別に見ることができれば、その学校が、どのくらいの得点で合格を出したいと考えているのかが見えてきます。そこから、受験する年の試験の難易度をある程度、読み取ることも可能です。

 

 

 合格最低点までの最短距離を考える

入試に満点は不要です。合格点が取れれば十分です。配点に差がつく場合もありますが、どんな問題でも同じ配点という場合も少なくありません。算数(数学)で20問あればすべて5点。簡単な計算問題でも複雑な応用問題でも同じです。時間がかからず知っていれば解ける問題で必ず得点すること。少しひねった問題でもきちんと考えて得点できるものがあること。この二点をおさえれば、たいていの入試では合格点に届きます。これが合格までの最短距離です。

しかし、苦手教科や苦手分野があると難しくなります。この場合は、得点教科でカバーするだけの得点をねらうか、苦手教科をある程度克服するかの二通りの方法があります。受験生本人の資質と目指す学校とによって最短距離は変わりますが、基礎・基本となるものをできるに越したことはありません。

たとえば漢字や計算、中学生なら英単語が苦手、という場合は練習が足りないだけですから、練習することです。過去問をやれば、どんな学校でも必ず出題されているのがわかります。ほかにも過去の入試問題に取り組み採点してみれば自分の克服すべき点が見えてきます。ある程度、学力のある受験生であれば自分の得点を見て「やっぱり、あれができないと合格できないな」と確信できます。そのとき、苦手な分野でもある程度、できるようになろうと向き合う勇気を持つことが大事です。

もし、学校説明会などで前年の入試問題での小問ごとの正答率が入手できるようであれば、ぜひ50%以上の正答率の問題だけをやってみて下さい。その中でできないところがあれば、それをできるようにすることがあなたの合格への最短距離です。また、声の教育社の「学校別問題集」の解説には大問の解説文の最初に単元名が書いてあります。できそうでできなかった問題の単元名をチェックし、その単元について学習を重ねること。これも合格への最短距離です。

このような考え方は、ある程度、基礎・基本となる学力がないと厳しいですが、できるようになると、ゲーム感覚で問題と取り組めるようになります。場数を踏むことも大事なので、模擬試験を数多く受験するのも、このようなトレーニングには有効です。

 

 

情報協力:声の教育社

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