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 【成城中学校 説明会レポート】 私立中学校 説明会レポート 


 成城中学校  説明会レポート  

 

 

成城中学校 説明会レポート

日時:H22年11月10日(水)10:30〜  晴れ

参加者数:約500人

配布物:
式次第・校内見学案内図、学校要覧、学校説明会資料、募集要項、アンケート

 

内容
■10:30〜10:50 
『挨拶』   学校長 中田秀夫先生
・明治18年に中央区築地にて発足し、今年125年を迎えた。都内で5番目に古い中学校である。ちなみに、攻玉社中学が一番古い。
・本校は日高藤吉郎が1に勉強、2にスポーツの学校にしたいと考え創設した。その後、1にスポーツ、2に勉強という日本体育大学を創ったため、本校とは兄弟校である。
・戦争に負けた昭和20年に、共立学校(現開成学園)は何のお咎めもなかったが、海軍予備学校の攻玉社と海城、陸軍予備学校の本校には解散命令が出た。本校は校長が辞めて存続し、海城は上手にとぼけて生き延び、攻玉社は何も変えずに残った。昔は成城、攻玉社、海城の順番だったが、今は一番下になってしまった。共立学校(現開成学園)にはまた肩を並べたいと思っているので、生徒には「ライバルは西日暮里にいる」と伝えている。
・男の子には男の子の教育が必要と考えているため、共学にする予定は全くない。
・やりたいことを先にやってしまうのが男の子であり、放し飼いにするとケダモノになってしまう。しかし、枠を示してあげれば、男の子はその枠の中で自由を謳歌することができるのである。
・校訓の『自学自習、敬愛親和、質実剛健、自治自立』は獲得目標で、こうなってほしいと思い、生徒を育てている。
・ミュージシャンやゲームクリエーターになりたいというアホな夢を見続けたままにせずに、しっかりと教えていく。
・校舎が殺風景で小汚いと思われたかもしれないが、建て替えることになった。プレハブは建てず、空いている所に校舎を建てていく。工事中、テニスコート1面が潰れ、ハンドボールコートが消滅するという若干の支障は出るが、ハンドボール部は体育館で活動する等して、部活は消滅しない。今までの土のグランドは人工芝に変える。また、現在は地下にある食堂を明るい1階に造り、カフェテリアと名前を変更する。
・建て替えをするとお金を取られるのではないかと心配されるかもしれないが、ちゃんと貯金があるから大丈夫である。もらえるなら喜んでいただくが、半強制的に集めることはしない。平成26年に全ての校舎が完成する。

 

■10:50〜11:10
『学校生活・教科教育について』   入試広報室 有阪喜一郎先生
・入口には警備員が立っておらず、門は開いている。このようにオープンな雰囲気が実現できるのは、環境的に幼稚園生でも通える学校だからである。駅から1分で信号はなく、大通りも通らずに通うことができる。スクールゾーンのため一方通行で、文教地域である。また、万が一何かあれば、すぐ近くの東京女子医大で対応する。
・登校は8時30分で、6時限授業。土曜日のみ4時限までとなっている。
・お母さんやお父さんが一生懸命作ったお弁当を子ども達は早弁してしまう。食堂や購買は朝9時30分から開いており、中学生も自由に利用できる。
・英語教材はトレジャーを使用しており、小テストを課し、満点を取るまでやっている。
・中学1年に「数学3」という計算演習に特化した授業があり、早く正確に計算力をつけるようにしている。
・一つずつクリアさせ、達成感を味あわせる。これにより、自分で勉強するようになる。また、成功体験をたくさん積み上げている子どもは打たれ強くなっていくので、打たれ強さを身につけて卒業してほしい。
・高校への進学に条件はない。
・高校1年で「未来の履歴書」という課題を出す。アピール文書であり、他人に評価されるものなので、字が綺麗でなければいけない。また、このような企業に行きたいから、この大学に行かなくてはいけないと真剣に考えるため、親と子が本音で会話する機会にもなっている。一番人気のある職業は教員で、行きたい企業は成城中学である。

 

■11:10〜11:30
『教科外教育について』   入試広報室 成川洋史先生
・クラブや行事は大切な教育活動であり、社会人として生きるために勉強だけではなく、人間性を身に付けなければいけないと考えている。
・自ら考えて、自ら判断して、自ら行動することが苦手な子どもが多い。苦手なのは失敗を恐れているからである。成功体験をすればモチベーションがあがるし、失敗した時はなぜ駄目だったのかを考えさせるようにし、TRIAL&ERRORの場を多く提供している。
・クラブは運動部が21、文化部が10、同好会が13ある。加入率は中学が90%超で、高校では60%を超えている。クラブの良いところは、上下の縦の繋がりができることであり、中学と高校が一緒に活動するクラブもある。やらなくてはいけないことをしっかりやるように指導しているため、補習がある場合は、補習が終わってからクラブ活動をすることになっている。
・行事も大切な教育の一つと考えている。中学1年の5月には1泊の遠足に行く。また、7月には臨海学校があり遠泳する。その際に高校2年生が補助員として同行し、生徒3人につき1人の教師か補助員がつくことになる。補助員は泳げた方がよいが、それよりも責任感がある生徒を選んでいる。修学旅行では、事前・事後学習をしっかり行っている。勉強だけでなく、人間性を育てることが大切である。

 

■11:30〜11:45
『卒業後の進路(大学進学実績)について』   入試広報室 岡本拓也先生
・卒業生313名の98%が4年生か6年生の大学を希望している進学校である。
・合格率は60.7%で、低いと思われるかもしれない。現役進学率は53%である。本校は指定校推薦が多くあるが、やりたいことや行きたい進路を諦めないように言っている。そのため、指定校推薦枠は100大学、359名あるが、進学者は30名である。
・大学は早稲田や明治、東京理科大を選ぶ傾向があり、近い大学を好むようである。ここ最近は2年に1回東大合格者がおり、東工大合格者はコンスタントに出ている。国公立大学よりは私立大学思考が強い。
・卒業生313名中91名が国公立、早慶上理、学習院、明治、青山、立教、中央、法政へ進学している。そのため、上位4割に入れば、このような大学に進学できるということである。
・高校から入った生徒と仲良くなれるかとよく聞かれるが全く問題ない。卒業する頃には等しく成城生である。

 

■11:45〜11:55
『入試結果・入試要項・出題方針について』   入試広報室 小山治郎先生
・試験日は第1回が2/1、第2回が2/3で、両日とも同形式、同レベルの試験問題である。
・試験は4科の筆記試験を行い、国語と算数が100点満点で、社会と理科が60点満点である。国語と算数の配点が高いのは、もともと本校は2科目受験の学校だったからである。4科合計320点満点の上位から選抜するため、教科ごとの足切りはない。
・合格発表は試験当日の午後6時で、入学手続きは他校の結果を見てから選んでいただけるように2/9である。
・倍率は例年3倍前後で、実質倍率は1回目も2回目も変わらない。
・合格最低点は6割強で、だいたい200点前後である。
・国語は漢字の読み書きが20点あり、長文は小説と評論の2問である。記述はあるが、本文から抜き出すというものが多い。算数は計算問題が15点程度あり、大問は10問前後出題される。解答は答えのみ書くもので、できる問題を計算間違いなく答えることが大切。社会は地理、歴史、公民の分野から各10問ずつ出題する。傾向は例年と変わらず、時事問題は頻出されている。理科は物理、化学、生物、地学から満遍なく出題され、時事問題も出題される。
・本校は、公平、公正かつ単純明快な入試である。当日の学力のみによる合否判定のため、優遇措置は一切ない。併願計画の自由度が大きいため、同じ入学試験が2回あると考えてよい。幅広い分野から標準的な出題が大半なため、特殊な対策は不要であり、地道な学習が望まれる。

 

■11:55〜
『校内見学及び個別相談』 

 

☆備考
スリッパや予約は必要ありません。
講堂のロビーで説明会資料を配布していました。また、冷温のお茶が置いてあり、自由に飲むことができ、会場に持ち込むこともできました。
個別質問がある方に対しては、説明会終了後に講堂のロビーと、見学後に事務室の前で受け付けていました。
開始5分前に、資料の確認と本日の流れについて説明がありました。
説明会は2部構成になっており、第1部は講堂で『本校の概要について』、第2部は『校内見学及び個別相談』に分かれていました。

 

☆所感
講堂には前の席から学校案内するとの看板があり、できるだけ前から着席するように指示がありました。前3列目までに座っている方から学校案内が行われました。
10時から25分間、ナレーション付きで入学式や校外課業、運動会、マラソン大会等の行事に関するスライドが流れていました。説明会中はスライド上映がないので、見たい方は早めに行かれた方がよいと思います。
校長先生のお話が面白くて、会場には何度も笑いが起こっていました。また、その他の先生もお話が上手で、時間は予定よりも長くなりましたが、学校の良さをたくさん知ることができたと思います。
講堂の椅子には机が付いており、メモが取りやすかったです。
説明会終了後、校内見学をしない人から先に退場となりました。
校内はグループごとに先生が解説しながら、順路に沿って見学し、簡単な質問にはその都度答えていました。また、校長先生も自ら案内していて驚きました。
授業は教室の外から見るだけでなく、教室内に入って見ることができました。先生や生徒の様子がよくわかりよかったです。
時間が延びたためか、入試試験に関する説明は非常に簡単でしたが、資料が充実しているため、そちらで確認することができました。
安全な場所にあるということで、開放された校門には警備員がおらず、最近では珍しいと思いました。
学校内でも賛否両論あるということでしたが、中学生でも朝から購買や食堂が利用できるというのは、育ち盛りだし、遠方から通う生徒にとってもよいと思いました。
生徒達は校内では上履きではなく、サンダルを履いていました。廊下までは土足で、教室の外にあるロッカーで履きかえるとのことです。一説にはサンダルだと廊下を走り回らなくなるということがあるようです。
校長は「アホな夢を見続けないようにしっかり教育していく」と現実的なことをはっきり言う方だと感じましたが、理想ばかり語る学校よりは好感が持てました。

 

 

 

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